外資系企業叩き上げで掴んだ英語上達のツボ

コラム

 

40才で英語が出来ないのに外資系企業に転職して、何とかビジネス英語を身につけた経験から、英語上達のツボをいくつか紹介します。(「日本人のための英語学習を考える」サイトから転載)

 

関係代名詞を使いこなす

関係代名詞は、中学校で習いましたよね。

自信のない人は、ぜひ、文法書をもう一度眺めて思い出してください。ここでは詳細に説明しませんが、このセッションのE-mail readingにもたくさん使われているし、Writingでも使う必要があるところがたくさんあります。

長い文章を作るときに、骨格となる主文があって、そのうちのひとつの名詞を修飾(説明)する副文をつなげるということです。

外国の人たちと話しているとき、ある文章を発言したあと、which is …とここで間をおいて、その間に文章を考えているのだと思いますが、さらに話を続けるという場面に会うことがあります。

これは、骨格の主文が先に頭に浮かんで、副文をあとから付け足すという思考構造になっているのだと、私は考えています。まあ、これは日本語脳から英語脳を作るという話なので、また別途します。

まずは、このレッスンにも出てくる、関係代名詞をしっかりと見つけて、使い方を真似ることをやってください。

ひとつだけ、チップスとして、Whatを使った関係代名詞についてお話しします。これは、thing which … と置き換えることができます。これは主語として使うケースも多いのです。例えば、

What I wanted to do is to study English hard.

(私がやりたかったのは、英語を一生懸命勉強することです。)

あるいは、

This is what I wanted to say.

(これが、私が言いたかったことなんです。)

で、言い換えると、This is something I wanted to say. なのですが、This is what…、This is something…両方とも非常に便利な構文ですので、覚えてください。

 

ちなみに、

It is what it is.   これってどんな時に使うことだか想像できますか??

 

 

得意な構文を作る

得意な構文、言いまわし方などを作って、得意を増やしていくと文章作成がとても楽になります。

いわゆるパターンを作ってしまうというわけなのですが、実は、外国人と話していて、人それぞれに良く使うパターンがあるなと思うことがあります。

やたらと、in terms of … を多用する人、… so that …がたくさん出てくる人、It is possible that …という表現を頻繁に使う人、make sure… を使う人。結構ネイティブでも癖はあるなと思うことがあります。

よく考えたら、日本語だって結構癖がでませんか?ご存知とおもいますが・・・をしょっちゅういう人、確かにそうなんですが・・・、そういうわけで・・・、こういう口癖って、頭の中の思考と深く関係してるのではないでしょうか?

日本人が英語脳を作っていく、英語の文章を作る考え方を育てていくために、思考パターンを作っていく、つまり簡単にいうと、得意な構文を意識的に作っていくことがとても効率的だと思います。

どんな構文かは、実際に自分でたくさん英作文をする中で決めていくことをお勧めしますが、自分で思い起こしてみて私が意識的に使っているのは、例えば以下のような構文です。

 

  1. What I’d like to— is that (or to) —
  2. — so that — could (can) —
  3. That’s why —
  4. This is because —
  5. It is so — to —

 

いろいろとありますが、こういう引き出しをたくさん作っておくと、英作文がだんだん楽しくなってくるのが実感できると思います。

実は、構文だけではなく、使う動詞やイディオムなども個性がでるものだと思います。個性を楽しんで作っていきましょう。

 

動詞の使い方の違いを知る

日本語脳から英語脳に変えていくには、文章を作るときの考え方を切り替える必要があります。

英語を使う人たちは、何か言いたいことを頭で考えるときに、真っ先に主語と動詞を頭に浮かべます。

日本語はというと、自分で思い返してみてください。一番重要に感じて最初に頭に浮かぶのは、英語で言うところの目的語だったり、単に形容詞だったりしませんか?

主語の次は動詞です。言いたいことを頭に浮かべるときにどの動詞を使って言いたいことを表現するか、という思考パターンを作ることが英語脳を作ることになります。

日本人が英語で詰まるときは、先ほど言ったように、最初に頭に浮かんでいる単語が、目的語だったり形容詞だったりして、そこからパニックになって何も言えない、というパターンをよく見かけます。

主語への切り替えと同時に、動詞の活用方法がたくさん頭に入ると、このパニック状態から抜け出すことができるはずです。

で、ここで言っておきたいのは、日本語の動詞と、英語の動詞が似ているものの、活用方法が違っていることがよくあります。この違った活用方法の幅を広げると、英語はすごく楽しくなってきます。

例えば

  1. レストランのウェイトレス:Finished? 客:Still working.(まだ終わってない。)
  2. I set up the meeting at 3pm today. Does it work for you? (都合は大丈夫?)
  3. The meeting went well. (うまくいった。)
  4. He runs X project. (彼はXプロジェクトを引っ張ってる。)
  5. Pay attention on this matter. (この件に注目して)
  6. ゴルフ場のスコア申告。I got 5.
  7. When did you get here? (いつここに来たの?)
  8. Leave it to me. (私に任せて)

ほんの一例ですが、慣れてしまえば当たり前、でも初めて聞くと、へえ~、こういう使い方なんだってことを、早くたくさん覚えましょう。

 

主語を考えるトレーニング

日本語は、主語があいまいです。でも、英語では多くの場合、主語を明示的に示さなければなりません。英語そのものを勉強しつつ、普段、日本語を考えるときに主語を考えてみると、いいトレーニングになります。

例えば、下記の日本文の主語は何か考えてみてください。

  1. その時間は予約がいっぱいです。(レストランで)
  2. お勘定をお願いします。
  3. 英語の勉強に役立ちそうなアルバイトを探してるんですが。
  4. 途中でエンストしてしまいました。
  5. インターネットカフェってこんな感じなんだ。

 

どうでしょうか?

回答は示しませんが、よく考えてみてください。

実は答えは一つとは限りません。例えば、2)の答えは、

May I have the check (bill), please? でもいいし、Could you bring me the bill? でもいいわけです。つまり、Iでもyouでもいいのですが、そのときに動詞が変わってきます。主語と動詞のセットということなのです。

また、5)は、

This is what internet café look like. あるいはInternet café is like this.でもいいわけです。

会話の中で英文を作るというのは、実はこの主語を決める、そしてそれに合わせて動詞を決める、という作業を一瞬のうちにやることなのです。

普段、日本語でいろいろと言いたいことを考えるとき、主語は何って意識すると、とてもいい英語のトレーニングになります。

 

 

日本人が苦手な時制をものにする

英語に慣れていない人のe-mailや文章を見ると、共通していることがいくつかあります。

主語と動詞がかみ合ってないとか、日本語表現を直訳していて英語表現では使わない表現になっているとか、などですが、私自身が一番気になるのは”時制(tense)”についてです。

日本語にも時制はありますが、語尾のちょっとした言いまわしやニュアンスで会話を成立させているせいか、あまり厳格には捉えない傾向がありますが、英語では、文章の最初の重要な個所できちんと宣言しなけれならないし、文章の骨格の中で重要な位置になるので、英語を使うに当たっては時制は非常に重要なことになります。

一番わかりやすいのは、多くの英語に慣れない日本人は、動詞の現在形を多用します。

例えば、会話の途中でどうも意思が伝わってないと感じて、「そういうことを言ってるのではない」と言いたいとき、

I don’t say so. (そうは言わない。)

と言ってしまうということです。(この表現のケースが多いということではなく、現在形を多用する例として挙げてます。)

I didn’t say so.  (そうは言わなかった。)

の方が正しい表現になります。もちろん、I don’t say so.でも前後に文脈もあるし通じるとは思います。

日本人の英語表現で時制を身につけるというと、なんか難しいことにように聞こえますが、時制の考え方は日本人にもあるはずなので、それを明確に英語の使い方、表現のしかたとしっかり結びつけることだと思います。

下の図をご覧ください。

 

この図も当たり前にことなのですが、会話の中で自分の意思の説明をするときに、時制を正確に考えているかを思い起こしてみてください。

通常の英語表現の中で、実は「現在形」の表現は特殊ケースだと私は考えています。

行動や動きが伴う動詞で、通常の会話の中では現在形はほとんど使われません。

時制を考える必要のある文章(行動、動作などを含む)のほぼ90%以上は過去形、現在完了形、未来形で出来ていると私は思っています。(実際のe-mail等でぜひ確認してみてください。)

では、現在形はどういう時に使われるかというと、

  1. 状態(現在の)や事実(普遍的)を表現するとき
  2. 思う、考える、xxしたい、などの感情の表現
  3. その他、事実とかぶりますが、これこれは、XXです、というequal文を作るとき

「今日(今から)動物園に行きます。」というのも、I will go to the zoo. (I’m going to the zoo.) なのであって、I go to the zoo. でも間違いではないかもしれませんが、will を入れることで明確な意思を相手に伝えることが出来ます。

ぜひ、この辺はしっかりと生きた文章のやりとりで確認し身につけていきたいものです。

さて、さらに厄介なのは、一つの文章に動き(動作)が2つある場合です。

例えば、「彼は自分の家を売ったことを後悔してる。」というのをどう表現するか考えてみましょう。

He regrets that he sold his house.

これでいいわけなのですが、regretは動名詞を目的語に取るので、

He regrets selling his house.

としてしまうと、ちょっと意味が変わって来てしまいます。つまりこれだと、「彼は自分の家を売る(ことにしたこと)ことを後悔している。」となって、まだ売っていないかもしれない状況になります。

元の日本語を正確に訳すとなると、 He regrets having sold his house. が正解になります。

「時制の一致」という言葉を聞いたことがあると思います。

中学校で勉強するのですが、これは日本人にとって非常に厄介です。下の3つの文章を見比べて、意味の違いを考えてみてください。

  1. He thinks she is happy.
  2. He thinks she was happy.
  3. He thought she was happy.

1と2はわかりやすいですね。

彼女が幸せ(今)なのか、幸せだった(過去)なのかということです。どれくらい過去なのか、この文章ではわかりませんが、「幸せ」という状態の変化を考えると、きっと1時間前の過去ではないでしょう。(余談です。)

3はどうでしょうか?彼が思った(thought)がいつなのか、これもわかりませんが、彼が思った時点と、彼女が幸せだった時点が同じだというのが、この時制の一致のポイントです。

例えば、彼が「思った」のが一年前だったなら、一年前の時点で彼女は幸せであって、そのときの状態は1番と同じで He thinks she is happy. ということになります。

なので、3の場合は今、彼女が幸せかどうかはわからないことを暗示しています。

しかし、彼が「思った」のが1時間前だったとすると、1時間前に彼が彼女は幸せだと思ったわけで、1年前に思った状況とはちょっと違いますね。

いずれにしても、時制を考えるのはこういう起こっていることの背景を伝えあうということなので、文章上で誤ってしまうと、誤った意思が伝わることになります。

日本人同士の日本語の会話でも、時制で意味が良く伝わらないケースがあるはずです。

誤解したままのケースもあるかもしれませんが、あいまいだと思うときには日本語で確認し合いますよね。

英語でも同じです。違う意味で誤解されたままになってしまうケースもあるし、不思議に思って確認し合うケースもあります。

そういう誤解が生まれやすいポイントであること、特に日本人の慣れない英語ではちゃんと考えたつもりでも誤解されやすいことを理解することで、上達のためのポイントにしていただければと思います。

 

身の回りにある英語に興味を持ってみる

日本国内の私たちの身の回りにもたくさんの英語があります。

これから、東京オリンピックに向けて、外国人観光客向けにもっと増えて充実していくことだと思います。

そんな周りの英文にも注意を払ってみましょう。そこからたくさんの学びがあるはずです。

例えば、電車内で下のような看板を見たことありませんか?

Please notify train staff or crew members when you see any abandoned belongings or suspicious objects either on a train car or at the station.

 

不審物発見についての注意書きですが、まず日本語の表記があって、普通はその下に英語表記があります。

私は、これを見てひとつの疑問を持ちました。それは最後の文章で、trainの冠詞は ”a” なのに、stationの場合は“the”なんですね。

実は、不定冠詞、定冠詞や前置詞というのは、日本人がとても苦手なところです。

電車は数えられないくらいあって、どの電車か特定できない、でも駅はたくさんあるものの、数は決まっているので、ある程度特定できる、きっとこれが理由だろうと、自分なりに納得していました。

実は後日談があって、この看板は小田急電鉄のものなのですが、電鉄会社によって、trainもstationも両方とも “a”を使っていたり、逆に両方とも”the”を使っている場合もありました。

絶対的な正解はないのかもしれませんね。

Abandoned belongings や suspicious objectsについても、電鉄会社によっていろんな単語を使っています。

ちょっとだけ興味を持って周りを見るだけで、「へぇ~、こういう風に表現するんだぁ。」ということがたくさんあります。

電車の中だったらシルバーシート付近にも。。。妊婦さんて英語でなんていうか、ぜひ、シルバーシート付近で見つけてみてください。

 

英語(英作文)は個性でデザインするもの

普段日本語で会話をしている私たち日本人ですが、よく思い起こしてみると会話というのは個性そのものだと気付くことがあります。

言葉はその人の人となりを表しています。

口癖もあるし、親しい人との会話だったら、この人は普通はこういう言い方はしない、だから今日はおかしいとか、ということも理解しながら話していると思います。

もちろん口調や顔つき、声のトーンなども含めてですが、言葉そのものには強く個性がでるものです。

英語も同じで、どんな伝え方をするのかは、人それぞれがデザインするものだと思います。

これから英語を自分のものにしていこうと頑張っている人にとっては、英語での”自分”をこれからデザインしていくわけです。

どうやったら自分の気持ちを伝えられるかを必死に考えること、英語のルールがわからないから、人の文章から伝え方を真似して覚えることによって、伝え方を自分なりに習得していけると思います。

得意な構文を作るという記事も出しましたが、得意な構文は自分の言葉をデザインするためのひとつの道具です。(それが口癖ということかもしれません。)

文法は英語の共通のルールとしてとても大事なのですが、でも、日本人がずっとやってきたように、文法をつまらない学問として考えてしまうと、そもそも英語が嫌いになってしまいます。

だからあまり文法だけに拘ることはお勧めしません。

別の角度からいうと、色々な人たちとe-mailのやり取りをすると、口での会話以上に気が付くのは、ネイティブでない人の中には、実は文法違反をする人が結構いるということです。

でも、それで言いたいことが通じないわけではありません。

そういう意味では、通じる英語であれば、多少の文法違反はOKと考えるべきということです。

もちろん、法律にかかわるような正式な文章ではだめですよ。あくまでコミュニケーションの手段としての話です。

人のe-mailを見て盗んで表現方法を学ぶ。

これが、実は文法(英語のルール)の勉強そのものだと思っています。さらに、特にアジア系の人たちとやりとりすると、たくさんの文法違反を目にします。

半面教師にするというのも一つのやり方かと思います。

で、ここで言いたいのは、英語を書くことを楽しいと感じる範囲でたくさん英語を書いて、英語における個性を作っていくことと、表現力として自分の弱いところは、文法書をときどき頼りにしてみると、さらに英語力向上の助けになると思います。

 

 

スピーキングはまずは音読を繰り返す

スピーキング、発音ということで考えると、これだけでも深い話になります。

よく日本人はRとLの発音がだめと言われますが、実はRとLだけでなく、BとかPという爆発音や、FとHの区別など、ネイティブから見ると問題だらけなのかもしれません。

本当にネイティブレベルで、英語で勝負しようという人にとっては、スピーキング、発音も十分な対応が必要なのかもしれません。

でも、まずはブロークンでもいいから使える英語をものにすることが先決です。

ここではネイティブの発音を目指すことについてはスキップします。少なくとも私が知っている世界では、発音の悪さで英語が通じなかったのは、アメリカのバーで「バーボン」と注文するときと、「起業家」という意味の「アントレプレナー」を発音した時は繰り返し聞き返された記憶があるくらいで、あとは、コミュニケーションとしてはちゃんと出来ています。

むしろ日本人の英語が通じないのは、自信なさそうに小さい声でしゃべることが原因だと私は思っています。

日本人にとっての最大の障害は、口に出してしゃべることに恥ずかしさを持つことで、そこに対してはトレーニングする必要があるし、トレーニングというか慣れによって、会議やセミナーでも発言できるようになっていきます。

ブロークンでいいから大きな声でしゃべるということを一生懸命やっていきましょう。これは文章作成力を鍛えるよりはかなり簡単です。

私のお勧めは、短い文章でいいので自分が作った文章を繰り返し音読することです。

これは大きな効果があります。頭に思い浮かべるだけではいざという時に口が回らなかったり、つっかえているうちに文章が頭から飛んで行ったりしてしまいます。

脳と口をつなげるトレーニングとして、声を出すことをやってみましょう。

やる場所がなければ、お風呂に入ったときに鼻歌を歌うかわりにやってみてはいかがでしょうか?

ぜひ継続して音読をするようにしてください。

アジア系の人たちも、決して発音がいいわけではありません。(もちろん第二言語であってもネイティブレベルの発音を持つ人もいますが)それでも、十分グローバルで戦っていけると私は思います。

アジア系を含む世界中のグローバルで働く人たちが、日本人は(平均して)英語が下手だと思っています。

自分より下手でもちょっと英語ができる日本人を見ると、「あなたは英語がうまいですね。」と言われます。

でも、これは「日本人にしては・・・」という枕詞がついているのです。

まずは、和製英語(私はJapenglishと命名した)でもいいじゃないですか。自分の言いたいことを存分に発言、発信できる人になりましょう。

そこからがスタートかもしれませんが。。。

 

 

 

プロフィール
賀門 康至

生まれ : 1957年7月
出身/住居 : 東京都出身 横浜市在住
大学の専攻 : 工学部電気工学科
家族 : 妻と娘1人
趣味 : ゴルフ、ホームページ作成
現職 : 製品開発コンサルタント

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