日本人が苦手な時制をものにする

英語に慣れていない人のe-mailや文章を見ると、共通していることがいくつかあります。
主語と動詞がかみ合ってないとか、日本語表現を直訳していて英語表現では使わない表現になっているとか、などですが、私自身が一番気になるのは”時制(tense)”についてです。

日本語にも時制はありますが、語尾のちょっとした言いまわしやニュアンスで会話を成立させているせいか、あまり厳格には捉えない傾向がありますが、英語では、文章の最初の重要な個所できちんと宣言しなけれならないし、文章の骨格の中で重要な位置になるので、英語を使うに当たっては時制は非常に重要なことになります。

一番わかりやすいのは、多くの英語に慣れない日本人は、動詞の現在形を多用します。

例えば、会話の途中でどうも意思が伝わってないと感じて、「そういうことを言ってるのではない」と言いたいとき、
I don’t say so. (そうは言わない。)
と言ってしまうということです。(この表現のケースが多いということではなく、現在形を多用する例として挙げてます。)
I didn’t say so.  (そうは言わなかった。)
の方が正しい表現になります。もちろん、I don’t say so.でも前後に文脈もあるし通じるとは思います。

日本人の英語表現で時制を身につけるというと、なんか難しいことにように聞こえますが、時制の考え方は日本人にもあるはずなので、それを明確に英語の使い方、表現のしかたとしっかり結びつけることだと思います。
下の図をご覧ください。

Tense

この図も当たり前にことなのですが、会話の中で自分の意思の説明をするときに、時制を正確に考えているかを思い起こしてみてください。

通常の英語表現の中で、実は「現在形」の表現は特殊ケースだと私は考えています。
行動や動きが伴う動詞で、通常の会話の中では現在形はほとんど使われません。時制を考える必要のある文章(行動、動作などを含む)のほぼ90%以上は過去形、現在完了形、未来形で出来ていると私は思っています。(実際のe-mail等でぜひ確認してみてください。)

では、現在形はどういう時に使われるかというと、

  1. 状態(現在の)や事実(普遍的)を表現するとき
  2. 思う、考える、xxしたい、などの感情の表現
  3. その他、事実とかぶりますが、これこれは、XXです、というequal文を作るとき

「今日(今から)動物園に行きます。」というのも、I will go to the zoo. (I’m going to the zoo.) なのであって、I go to the zoo. でも間違いではないかもしれませんが、will を入れることで明確な意思を相手に伝えることが出来ます。ぜひ、この辺はしっかりと生きた文章のやりとりで確認し身につけていきたいものです。

さて、さらに厄介なのは、一つの文章に動き(動作)が2つある場合です。
例えば、「彼は自分の家を売ったことを後悔してる。」というのをどう表現するか考えてみましょう。

He regrets that he sold his house.

これでいいわけなのですが、regretは動名詞を目的語に取るので、

He regrets selling his house.

としてしまうと、ちょっと意味が変わって来てしまいます。つまりこれだと、「彼は自分の家を売る(ことにしたこと)ことを後悔している。」となって、まだ売っていないかもしれない状況になります。
元の日本語を正確に訳すとなると、 He regrets having sold his house. が正解になります。

「時制の一致」という言葉を聞いたことがあると思います。中学校で勉強するのですが、これは日本人にとって非常に厄介です。下の3つの文章を見比べて、意味の違いを考えてみてください。

  1. He thinks she is happy.
  2. He thinks she was happy.
  3. He thought she was happy.

1と2はわかりやすいですね。彼女が幸せ(今)なのか、幸せだった(過去)なのかということです。どれくらい過去なのか、この文章ではわかりませんが、「幸せ」という状態の変化を考えると、きっと1時間前の過去ではないでしょう。(余談です。)

3はどうでしょうか?彼が思った(thought)がいつなのか、これもわかりませんが、彼が思った時点と、彼女が幸せだった時点が同じだというのが、この時制の一致のポイントです。
例えば、彼が「思った」のが一年前だったなら、一年前の時点で彼女は幸せであって、そのときの状態は1番と同じで He thinks she is happy. ということになります。なので、3の場合は今、彼女が幸せかどうかはわからないことを暗示しています。
しかし、彼が「思った」のが1時間前だったとすると、1時間前に彼が彼女は幸せだと思ったわけで、1年前に思った状況とはちょっと違いますね。

いずれにしても、時制を考えるのはこういう起こっていることの背景を伝えあうということなので、文章上で誤ってしまうと、誤った意思が伝わることになります。

日本人同士の日本語の会話でも、時制で意味が良く伝わらないケースがあるはずです。誤解したままのケースもあるかもしれませんが、あいまいだと思うときには日本語で確認し合いますよね。
英語でも同じです。違う意味で誤解されたままになってしまうケースもあるし、不思議に思って確認し合うケースもあります。

そういう誤解が生まれやすいポイントであること、特に日本人の慣れない英語ではちゃんと考えたつもりでも誤解されやすいことを理解することで、上達のためのポイントにしていただければと思います。


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